地中海で泳ぐ!!

地中海とエーゲ海の分水点、トルコ最南端の町カシュの沖合いにケコワ島{kekov}がある。ここに水中に沈んでしまった3千年前の遺跡があり、観光名所となっている。海中10Mあたり、水面から建物の破片、石柱、などがクッキリみえるのだ。最初の見物は、アンタリアからの1日クルージンングで、フランスやドイツの観光客と一緒に、舟から飛び込んで、岩ばかりの岸辺までおよいで渡ったりして、初めて泳ぐ地中海の心地良いつめたさに感激したものだ。
                                
2回目はアメリカ駐在員時代の職場の連中4人との地中海田舎旅行のときである。クルージングの舟が1日に4回ほどしかこないので、私たちは小船をチャータして、日向ぼっこしたり、泳いだりして,ダラダラと時間のすぎゆくままにまかせた。
チャータ舟<5人乗りで1日約1万円ポッキリ>、といっても10トンぐらいのポンポン舟なのでどこでもではいりできる。観光船がいなくなったあと、水にもぐって、眼下の遺跡めぐりをしたり、近くにいたフランスの女性と笑顔を交歓したり、魚がつれないので、持参した肴、野菜、ビールでバーベキュしたり、それはそれはメモリアルな1日となった。
                                葉山の海、森戸海岸、一色海岸とも、砂浜の白さ日本100選にはいっているのだが、比較にすらならない。
エーゲ海や地中海にはプランクトンもすくなく、だから魚も少ないのだが、水中の浮遊物がほとんどない。太陽光線が深くまで、とどく。
葉山の海は、浮遊物がおおく、水が濁っているので、潜っても気持ちが悪い。とはいっても、鎌倉、江ノ島に比べたら、まだ葉山はましだ。    

エーゲ海と地中海の境界線

もう1回地球儀をみよう。ギリシャを左に、中央にエーゲ海、右にトルコがある。その海は島がいっぱいあって、その数400.だからエーゲ海多島海ともいうが、その一番下にクレタ島がある。クレタから両サイド斜め上に一直線のばした、左はギリシャ、右はトルコにぶっつかる所から上がエーゲ海だ。
場所でいうとトルコ最南端にカシュKas、人口5千の町がある。ここを基点に左、西方がエーゲ海、右、東方が地中海、もちろん下、南方も地中海だ。この分水点は、ガイドにきいた。確認のため、ガイドブックや
現地の本で調べたが載ってなかった。彼らにとって境界線などどうでもよいことなのかもしれない。沿岸は魚がとれない。だから沖に魚つりに
行こうとしても、釣竿1本、ボート屋は持ってなかった。糸とハリ、子エビのえさだけで、舟からたらすだけだ。タイが釣れるといったが、
5時間で全然だめだった。2回つりにいったが、あたりナシ。最後は
泳ぎに夢中になったほどだ。
言語学的にいえば、地中海の海はコバルトブルー、紺碧の海と形容されるが、実際はギラギラ光る太陽光線が海に反射するとキラキラと白く光る、だから白い海の意味で<Akdeniz>と地図ではいう。
北の方の黒海は冬場に行くとわかるが黒ずんだ色だ。夏場にボスホラス海峡のクルーズにのると、黒海の入り口までいって黒海をみると黒味がかって見える。黒い海 Karadeniz,とはよくいったものだ。 

何で、7回も?

地球儀をみよう。アフリカの北のほうに地中海があり、その北に陸地があり、そのまた北に黒海がある。黒海の左下に小さな海峡<ボスボラス海峡。イスタンブールはここ>があり、その下に海がある、これをマルマラ海というがそれを抜けるとエーゲ海にでる。その下が地中海である。エーゲ海の左がギリシャ、右がトルコ。右の海沿いに進むとシリア、レバノンイスラエル、エジプトと地中海諸国、現代的な言い方
では中東の火薬庫の国々だ。
私が旅したのは、トルコのエーゲ海沿岸と地中海沿岸、それに内陸部、アナトリアとよばれるところだ。
92年9月から、94年6月、96年12月、97年10月、98年12月、99年4月、2000年4月。計7回行ってる。
何で7回もと思うが、娘がイスタンの大学をでて、地元のインターコンチホテルに勤め出したので、遊びに行っただけのことで、ついでに、みてまわったのである。
ここ5年ほど、行ってないが、そのあいだは、ベトナム、中国、に行った。しばらく行かないと様子が変わってないか、という人もいるが、トルコでは、5年、10年では変化ナシ、世界最大の遺跡群は変わりようがないし、紀元前3000年ごろ、現代から5千年間もゆったりと、悠久の時が過ぎてきたのに、古代の残照が照り輝いているのだ。

*はじめての地中海は。

1992年。平成4年の9月10日から22日までの約二週間。娘が国立アンカラ大学イスタンブール校に留学していたので、妻と2人で娘をたずねて旅行した。私が55歳の時であった。
トルコはこれがはじめてではない。その前年、平成3年にも行っている。そのときはイスタンブールだけだった、2回目の旅行のとき、エーゲ海と地中海をまわった。レンタカーとガイドつきで、トルコのエーゲ海沿岸と地中海沿岸を周遊するという、当時としては、破格の旅であった。
この旅行で、海の魅力にとりつかれてしまった。
また、住まいも葉山へ移る、その潜在的な欲望がめばえはじめたきっかけを作ったのも、この旅行であった。、以来2年に1度は地中海を中心にアチコチの海のクルージングに出かけるようになった。